【波照間旅行記10】男の戦い
7/22(2日目) 午後5時
「た、大変なことになってる!大変なことになってる!」
うっしー母さんは一列に並んだ追い込み部隊の一番端に位置していて、オレから最も遠い位置にいたのですが、そんなオレのところまでうっしー母さんのエキサイトぶりがビシビシ伝わってきました。
「おじさん!早く!おっきい魚がいるよ!」
どうやら巨大魚が網の手前を泳いでいたようです。後で聞いた話だと、うっしー母さんは網の位置を把握していなかったので、巨大魚が網の外側にいると思っていたそうです。おじさんは、他の追い込み部隊に網のところに行くよう指示してうっしー母さんの元に駆けつけます。
うっしー母さん以外の追い込み部隊も、水中メガネで網に魚がかかっているか確認します。
「うおーーこっちもすごいよ!」
「おおおおおお」
「うひょーーーーー」
各地で奇声があがりました。オレも顔をつけて水中を覗いてみました。おおおおおお。いるいる!オレの両手で届く範囲に、20cmくらいの魚が6、7匹、網にかかっています。
「網の下側を持ち上げろって!」
そのとき、オレの右隣にいたBさんがおじさんからの伝言を伝えてきました。オレはさらに、左隣のAさんにそれを伝言しました。そして、海の底から網の下端部分を持ち上げて、網を袋のようにして持ちます。網にかかった魚は、その袋の中でじたばた泳いでます。
オレは顔を上げてみんなの様子を見渡しました。うっしー母さんところの巨大魚はとりあえず解決したようです。みんな自分のところの網と格闘しています。ふとおじさんの方を見ると、顔つきがさっきまでとは変わっています。鋭い目つきで、戦う海人の顔です。まるで「こち亀」の本田のような変貌ぶりです。さっきまではバイクに乗ってなかったのに、今はバイクに乗った本田の顔をしています。本田、いや、おじさんは鬼の形相でオレに向かって叫びました。
「ワタナベ。! 魚、殺したか?」
「殺してないですーーー」
「なぜ殺さない(怒)!!!!!!!!」
「なぜ」って言われても、殺し方がわかりません!!!
「エラに指つっこんで!!」
オレはあせって自分の担当領域の網にかかっている魚のエラに親指をつっこみ、エラの中をぶちゅぶちゅとつぶしました。6、7匹の魚をしとめて、任務完了。
左隣を見ると、Aさんはまだ網をたくし上げていませんでした。どうやら、網の下側がサンゴに絡まっているため、持ち上げられないようです。それを遠くから発見したBさん、Aさんに向かって怒りの形相で叫びました。
「Aさん、網!網!網の下持ち上げて!おーい、Aさん、網!」
Aさんは半分水に潜りながら「いや、網が…アプ…サンゴにひっかかって…アプ…とれへんねや」とか言ってますが、興奮したBさんの耳にはAさんの言葉など届いていません。
「おーーい、Aさん!A!コラーッ!A!オレの話しを聞けッ!あ・み・を・あ・げ・ろ!!」
「いや、アププ…だから、網がとれへんねん」
「だーーー。いいから、A!オレの話しを聞け、網を上げろ!網!A!おいA!」
「アプ…さんごに網がひっかかってん」
「コラA!A!網だよ!網!上げろ!網!A!えーーーい!網!うがーーーーーーーーーーーーー」
まるでアテネオリンピックのアニマル浜口のようでした。
とにかく、そんなわけで各地でこのような格闘が繰り広げられ、オレ達は大量のおかずを獲得。うっしー父さんが獲物を獲物用の網に入れて出発地点まで持ちかえり…ですが、獲物が重すぎて持ち上げられません。海の中をひきずって持ちかえりました。

出発地点に戻ると、おじさんは包丁をとりだし、魚の腹をさばいてハラワタを取り出します。ちなみにこのとき、うっしー父さんやBさんが決死の思いでとったカニが、捕まえたときに殺していなかったため逃亡してしまいました。
(つづく)
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42985/1298928
この記事へのトラックバック一覧です: 【波照間旅行記10】男の戦い:
コメント
⌒⌒⌒(~ _△_)~ギャハハ! _(T▽T)ノ彡☆ばんばん!
投稿 ゆかりん | 2004.08.29 10:51