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2004.08.21

【波照間旅行記7】失墜

7/22(2日目) 午前11時

 オレ達の水浴びを木陰で見守っていたおじさんが立ち上がりました。いよいよ漁の開始です。とりあえず一発目は、オレとうっしーが網部隊に指名されました。オレは網を抱え、おじさんの後について海の中に入っていきます。

「しーーーっ。水パチャパチャしない」

 おじさんは水音を立てずに海の中を歩くように指示しますが、オレは忍者じゃないのでそんなことはちょっと不可能です。波照間はサンゴの島なので、下はサンゴや岩で障害物が多いのでこけやすいです。こんな調子で浜から15~20mくらい沖の方まで歩いていきました。大潮(潮の満ち引きの差が最大の日)は1週間まえくらいだったらしいので、今日は潮が深いです。胸のあたりまでの深さです。

 おじさんは、その位置を中心に網を広げるように指示しました。オレとうっしーはそれぞれ反対方向に網を広げます。網は、たぶん全長50mくらいあります。おじさんは、「早く早く」と急いでやるように指示をします。しかし、オレが足を滑らせてバチャバチャ音を立てると、「しーーーっ。パチャパチャしない!」と注意されます。かなり不可能状態。水もどんどん深くなり、つま先立ちでようやく顔が出るくらいの深さです。

 こうして網部隊は、網の設置を完了しました。おじさんは手招きで、浜に残った追い込み部隊に海に入るように指示します。追い込み部隊は、手で水をバチャバチャ、口でわーわー言いながら、じりじり網に接近していきます。追い込み部隊が網のすぐ近くまで来ると、おじさんが網を確認するように言いました。しかし、網にはメダカの一匹すらかかっていません。まあ、海なのでもちろんメダカはいないのですが、獲物は何一つ網にかかっていませんでした。

「はいー、もう1回!」

 おじさんはめげた様子も無く、もう1回やるように指示します。オレ達はもう一度、同じように網をかけて同じようにバチャバチャやりましたが、これも不発でした。

「今日は潮が悪いんだよ」

 おじさんはそう言いました。なんでも、今日は午後4時頃が干潮なのでそのときがベストタイミングらしいです。

「大丈夫、おじさんは、こんなこともあるかと思って、冷蔵庫から魚もってきてるから、昼ご飯にしよう」

 オレ達は浜にあがり、木陰で火をおこしておじさんが持ってきた魚(数日前に漁で獲ったもの)を焼いて食べました。焚き火をして、一通り薪が燃えた後の炭の上に鉄網を乗せて、その上で魚を焼きます。非常にダイナミックなアウトドア料理(といえるのか?)で、はっきり言って灰まみれなのですが、美味いです。オリオンビールと、モチキビ入りのおにぎりもまた美味い。

 うっしー父さんが連れてきた2人組(関西の人らしい)は「ホンマにこれで獲れるんかなあ~?」と疑わしい目をしています。オレも、「おじさんはオレ達が来たから追い込み漁をやって見せてくれてるけど、本当は今日は潮が悪くてダメだってわかってるんじゃないかな~」とちょっと半信半疑でした。

 おじさんの権威は失墜しかけていました。

(つづく)

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