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2004.11.05

いまそこにある危機

 先日原美術館にジョン・ブッチャーのライブを観に行ったときの話。

 ライブレポ?にも書いたとおり、原美術館はオレ達の結婚式のパーティをやったとこでもあるので、行くときはそれなりに気合が入っている。うっしー(ヨメ)はバッチリとおしゃれを決めていくし、オレもまあ、自分なりに精一杯やるわけである。まあ価値観は人それぞれ違うわけで、うっしーに「それじゃない服に着替えてよ」とか打ちのめされつつも這い上がり一歩一歩前進していくのある。たとえその歩みは遅くとも。

 で、「それじゃないズボンにしてよ」「いやもうこれしかないから」とかそんな調子で決定された服装で原美術館へ出かけ、午後6時ちょい前に到着。開演は6:30だから、まだちょっと時間がある。オレ達は館内の展示を見学したあと、カフェに行ってカンパリオレンジを注文した。カフェの庭に出て、テーブルに腰掛けてドリンクをちびりちびり。外はほとんど真っ暗で、庭の隅っこではなにやらオブジェがピカピカと点滅している。オレ達はこの庭でパーティをやったわけで、当然のごとくそのときの思い出なんかがちょろちょろと話題にのぼる。なかなかムードむんむんの満点である。独身だったらこの場でプロポーズできそうなほどである。ムフフ。ちなみに、アフターコンサートはラフォーレ東京という近くのお洒落なホテルでディナーでも食べようというお洒落な計画である。ムフフフフ。

 …とそのとき、オレはある“異変”に気付いてしまった。

「なあ…」

「なに?」

「ちょっとマズい事態が発生した」

「どうしたの?」

「お、オレのチャックが微妙に壊れてる」

 そうなのだ。さっきトイレに行って用を足した後でチャックを閉めた際の噛み合わせが悪かったのか、いわゆるひとつの社会の窓が微妙に開いてしまっていた。詳細に説明すると、チャックの噛み合わせが悪く、社会の窓の下部2cmくらいの部分が微妙に開いている状態である。

 だ、大丈夫だ。オレは自分に言い聞かせた。大丈夫だ。これなら一度チャックを下まで完全に下ろしてからもう一度ゆっくり上まで上げれば噛み合わせ不良は解決するはずだ。

 オレは、チャックを一度下まで下げてから再度ゆっくりとチャックを上げた。

「さ、さらにマズい」

「ど、どうしたの?」

「チャックがほぼ破壊された」

「………」(←笑いをこらえている)

 落ち着け落ち着け。オレはもう一度ゆっくりとチャックを上下させた。しかし、噛み合わせ不良は解決しなかった。てゆうか、チャックが完全に外れてスカスカの全開になってしまった。

「どうしよう、直らない」

 オレは外れてしまったチャックを直そうといろいろ試行錯誤してみた。

「ちょっと、挙動が不審だからやめてくれる」

 そうだ。念のため言っておくとここはお洒落な美術館のお洒落なカフェなのだ。周りにはカップルなんかもちらほらいるのだ。

「でもオレ、チャック全開だし」

「じゃあこれ貸してあげるから、これで隠しなよ」

 うっしーはそういって自分のコートを貸してくれた。オレはうっしーのコートを腰に広げた。これなら大丈夫である。

「そうだ…どうしよう?」

「ん?」

「コンサートの後…」

「お腹の空き具合をみて、ラフォーレでご飯食べて帰ろうよ」

「いや…オレのチャックの閉じ具合も考慮した方がいいのでは…」

「………」(←笑いをこらえている)

「すまん」

「だから私が違うズボンにしろって言ったのに」

「すまん」

「いいかげんにしてよね」

「すまん…。あと、飲み終わったからこのグラス返してきて。オレ、チャック全開だからうかつに動けないし」

 そんなわけで、オレはチャック全開のまま(それをコートで隠しつつ)ライブを鑑賞した。まあ、演奏があれだけアバンギャルドだったから、観客もチャック全開くらいがちょうどいいんじゃないかな、なんて思ったりして。

 で、アフターコンサート。お洒落ホテルでのお洒落ディナーは断念したが、東京駅の大丸のレストランでうなぎを食って帰った。もちろんチャックは全開のままで。

雑文

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