夫婦団欒
金曜日、晩メシを食い終わったあとソファに寝っ転がってテレビを見ていたら、「金八先生」が始まった。オレは最初ボ~っと見ていたのだが、毎回見ているわけではないので、っていうか、最初の1、2回見ただけなので話が全然わからない。つまらんので、ソファに寝転んだまま足元に落ちてた「ロック画報」なんかを読んだりしていたのだが、突然うっしー(ヨメ)に怒られた。
「ちょっとー!!何で真面目にテレビ見ないの?」
いや、そら、だって、オレは前回までほとんど見てないから話がわかんないんだって。
「夫婦団欒なんだから、ちゃんと同じ番組を見てよ」
うーむ。なんかよくわからんが、あんまり逆らうとおっかないのでとりあえず金八先生を見ることにした。教え子がドラッグやって逮捕されたりしていたが、金八先生の息子は大学に合格したらしい。埼玉大学の教育学部だそうだ。オレは思わず声をあげてしまった。
「おーー、埼玉大学!シブい!」
「なんで?」
「だってなんだかリアリティあるじゃん」
「そーだよ、金八先生はそういうとこが現実的なんだよ。知ってる?『渡る世間』では、えなりが東大に受かったんだよ?ちょっとウソっぽいと思わない?」
「そーだなー。東大っちゅーと『いかにも』って感じでウソっぽいよなー。そっか、金八先生は埼玉大でスゲえな」
しかし、前回までの展開がよくわからない連続ドラマを見てもあまり楽しくない。オレはうっしーにそっとアピールしてみた。
「ねえ」
「ん?」
「たいくつー」
「なんでよ!!今いいとこなんだよ!?この2人の25年の集大成の場面なんだよ!?」
テレビには、生徒の逮捕に悩んだ金八先生がひとり沈んだ表情で、おでん屋台で酒を飲んでいるシーンが映し出されていた。そこに数学のナントカ先生がやってきて、金八先生の隣に座り「僕はあなたの考えていることがよくわかる。あなた、教師を辞めようとしているでしょう!」と、金八先生に辞めないでくれと懇願している。25年前(新人時代?)の思い出話なんかも交えつつ。「だから辞めないでください!私のためにも!!」とかなんとかアツく語っている。
「ほら!!なんでそんな寝っ転がりながら見てんの!?そこに正座して!!」
なんで金八先生を正座して見なきゃいけないんだよ!!が、よく見るとうっしーは正座して見ていた。
「ワタナベ。!!あんたこれを見て感動しないわけ!?」
「かんどうしました」
「全然気持ちがこもってないっ!!」
なんでオレはこんなことで怒られてるんだろう。なんかおかしくねえ?っていうか後で聞いたら、うっしーも金八先生を見たのはこの回が初めてらしい!ストーリーもわからず感動しているとは!おそるべし!!
ま、実際のところこのときオレが考えていたのは、
「この屋台のオヤジ、目の前でこんな暗い話されていやだろうなあ」
なんてことだったりする。怒られるのでうっしーには言えないが。
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